〜7月のおたより〜
お日様にご用心
梅雨はじめじめして困りますが、農作物には恵みの雨ですね。そろそろ暑い夏がやってきそうな感じです。それを見越して「お日様」の話を少々。

紫外線と赤外線はご存じでしょう。

目で見える可視光線には虹の七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)がありますが、赤と紫の外側にあるのに見えないのが赤外線と紫外線です。赤外線はリモコンやトイレのセンサーなどでおなじみですが、問題は紫外線。日焼けの原因になりますが、日焼けも過ぎると皮膚癌の危険が発生します。シミやシワの原因にもなり、眼も障害を受けて白内障などになりやすくなります。日焼けが赤くなる人は特にご用心。オゾン層の破壊により紫外線の影響が強くなっているそうです。梅雨空や曇りの日でも紫外線は予想以上に降りそそいでいますので、気を付けてください。

さて、お日様による健康被害の最たるものは日射病でしょう。

医学的には熱中症といい、「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」に分類されます。程度の軽い熱中症を日射病と呼んでいるようです。熱けいれんは、暑さで脱水になり体中の筋肉がけいれんを始める段階。炎天下でラグビーの試合をしていた大学生が「体中がつるようで痛い」などと訴えてやってくるような病態です。ふくらはぎがつる感じ、これが体中で起こり始めると大変です。この段階なら自分で対処出来るかもしれません。すぐ作業や運動を止めて涼しいところで休むのが原則。そして大量の水分・塩分補給を。熱疲労は、主にお年寄りなどが炎天下で作業中にめまいや吐き気を催す次の段階。すぐに病院で体を冷やして点滴しないと危険です。熱射病に至ると、意識障害や血圧低下でショック状態になる最終段階。病院に運ばれてきても救命困難かもしれない恐ろしい病態です。

炎天下の農作業などは、ベテラン農家の皆さんも油断大敵ですね。赤ちゃんが車の中でぐったり、というのも熱中症です。口のきけない乳幼児の場合、尿が出ているかこまめにチェックすることが肝心です。いつもより尿が少ないときは水分が足りない証拠です。

熱中症には至らなくても、お年寄りが暑さで脱水になると、軽い意識障害や脳梗塞を起こしやすくなります。脱水になりやすい夏は、真冬と並んで脳梗塞の起こりやすい季節です。脱水になると血液中の水分が減少して脳血流量が低下するのです。暑くて食欲が減退していたり夏カゼで下痢をしていたら、もう大変。ゴルフやゲートボールも注意が必要です。そうそう、ビールは逆効果!アルコールは利尿作用があるので脱水がひどくなってしまいます。

大切なことは、お日様を甘くみないで水分と休息をとりながら作業することですね。無理せず陽気に夏を乗り切りましょう。