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〜8月のおたより〜 |
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「雷さま」と「おへそ」の関係 |
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夏になると積乱雲が発達し、しばしば夕立と雷をもたらします。そして夕立の後にはすうーっと気温が下がり涼しくなります。自然のクーラーですね。雷さまといえば、おへそを取りにやって来る怖い神様として知られています。この逸話にはどういう意味が込められているのか、ちょっと調べてみました。
もっとも一般的な解釈は、「おなかが冷えるから」という説です。
雷が鳴ると気温が下がり、おへそを出して昼寝していると冷えておなかをこわすので、子供に衣服や腹巻きを着させようとした昔の人の知恵、だそうです。なるほど、おなかが冷えると下痢しやすいのは大人も同じ。注意した方が良さそうです。
「落雷を防ぐため」という説もあるようです。
雷が高いところに落ちやすいのはご承知の通り。おへそを隠すようにすると、前屈みになって低い姿勢を取る様になるので、早く逃げるときに最適の姿勢なのだそうです。これもまた良く出来た話です。屋外で雷鳴を聞くと、ついついおへそを押さえて走り出したくなりますから。
そういえば、どうしておへそがあるのかご存じですか?
おへそは臍帯(へその緒)のなごりで、ほ乳類の証です。母親のおなかの中で赤ちゃんは臍帯を通して栄養と酸素を豊富に含んだ臍帯血を受け取っています。生まれた後にこの臍帯が取れておへそになるわけですね。からだの真ん中にあるのも、全身に過不足無く臍帯血を行き渡らせるためなのでしょう。臍帯動脈という太い血管が貫いていたために、おへその周辺には筋肉(腹筋)がありません。実は無防備でとても弱い場所なのです。「おへそのごまを取るとおなかが痛くなる」というのも、筋肉がないので刺激が直接腹膜に達しやすいからです。おへそは優しくお手入れしてください。おへその周辺が冷えると直接腹膜まで冷えるために、腸間膜の血流が低下し、腸管での消化吸収が悪くなり、下痢や腹痛が起こるのです。
おなかだけでなく、クーラーなどでからだを冷やしすぎると夏バテがひどくなります。夏バテは、夏まけ、暑気あたりなどとも言いますが、湿気や気温の急激な変化に体のリズムがついていけずに、自律神経の働きが鈍くなっている状態です。ビタミンB1が効果的だそうで、うなぎに多く含まれています。丑の日にうなぎをたべるのにはちゃんと理由があるのですね。
それにしても昔の言い伝えは奥が深いですね。荒唐無稽な作り話などとへそを曲げていてはいけません。おへその大切さを再認識して、子供たちに雷さまの怖さを教えてあげましょう。 |
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