地球温暖化のせいでしょうか、猛暑の夏に引き続きこの冬の寒さも比較的緩やかですね。この影響で木の芽は早くほころびそうですが、イヤな花粉も今月下旬頃から大量に飛散するらしいです。つらくなる前にそろそろ準備を始めましょうか。
花粉症は花粉というタンパク抗原に体が強く反応してしまうアレルギー性の疾患です。花粉が鼻や目に入ると、それをくしゃみで吹き飛ばし涙や鼻水で洗い流そうとするのですが、この反応がひどく激しくなってしまうのでつらいのです。日本人の約20%(20歳代では60%以上!)が花粉症だそうです。
大気汚染の影響もあるとかで、年々新しい患者さんも増えているそうです。去年まで花粉症でなかった人も安心できないということです。
第二次大戦後にスギの植林を奨励したために、現在になって花粉が大量に発生してしまったようです。当時の植林責任者達は花粉症を知らなかったのでしょうが厄介な話です。スギだけでなく4〜5月頃にはヒノキの花粉も飛ぶので今年の花粉症は長丁場との予測もありますね。では、どうしましょう?
まずは花粉対策。花粉が体に入らなければよいのですから、マスクやメガネは予防に有効です。家に入る前には花粉をよく振り払い、布団や洗濯物を干すときには花粉の付着に注意しましょう。外出から帰宅するたびによく手を洗うのも効果的です。目や鼻の穴まで洗えれば一番良いのですが、鼻に水が入ると痛いですよね。1リットルのぬるま湯に約9グラムの塩を溶かした塩水(生理食塩水)で洗うと目や鼻があまり痛くなりませんよ。お試しあれ。
ヨーグルトやペパーミント・ガムも症状をおさえる効果があるそうです。ちなみにヨーグルトはカルシウムを多く含むので骨粗しょう症にも有効です。またガムをかむと唾液の分泌が促進されるので、口中の乾燥がおさえられ口臭予防にもなるようです。どちらもお勧めですね。
でも一番効果があるのはアレルギーをおさえる薬「抗アレルギー薬」です。この薬は効果発現までに時間がかかりますが、眠くならずに良く効くものが多くなりました。「副腎皮質ホルモン」は即効性がありますが、副作用が問題となります。以前行われていた筋肉注射に代わり、副作用の少ない点眼薬、点鼻薬として現在は使用されています。「抗ヒスタミン薬」は症状が出てから飲んでも効きますが、眠くなったり口中が乾燥したりします。症状や体質に合わせた治療を選択する必要があります。花粉が飛び始める1〜2週間前からの治療が重要ですので、テレビなどの花粉飛散情報を参考にして、外来でご相談下さい。
昔は無かった花粉症。大気汚染などの影響で最近はやり出した現代病のようです。あわてずにじっと花粉の季節が過ぎるのを待つのも妙案です。これもまた現代人である勲章と思えばオツなもの。うるんだ瞳は美しく見えるものですし.....。
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