今年は、新型インフルエンザが大流行したため、季節性インフルエンザ・ワクチンの精製の途中で新型ワクチンを急遽精製することになったため、季節性ワクチンが昨年の7割程度しか流通しなくなってしまいました。
当院も、昨年に接種したワクチン数の約7割しか入荷せず、残念ながら、今季の季節性ワクチンの受付は終了いたしました。昨年接種された人の中に本年接種できなくなってしまった方がいらっしゃるようで、本当に申し訳なく思っております。
昨年は、入荷するワクチン数に余裕があったので、希望する方には1月過ぎまで予約することなく接種できました。今年はワクチン本体価格の上昇にしたがって500円値上げをしたために、接種希望者が減少すると思っていたのですが、逆に増えたようでした。TVなどで接種を促すような報道があったためでしょうか、昨年まで接種しなかった方までもが接種を希望して来院されました。
10月中旬の土曜日には、やや遠方の緑が丘や米本の方まで100名以上がいらっしゃったので、外来診療に支障を来すことになってしまいました。開業2年目で、この事態を予測できなかったため、ワクチン希望の方にも外来診察希望の方にもご迷惑をおかけして、本当に申し訳なく思っております。すみませんでした。来年は、予約も含めて検討し、かかりつけの患者様やお近くの方にご迷惑のないように準備していきたいと思います。
11月にも約100本分(約200名分)のワクチンが入荷予定でしたので、今度は混乱を避けるために予約を行うこととし、11月10日に予約を受け付けましたところ、その日のお昼までで、100本分の予約が埋まってしまいました。これほどまで季節性ワクチンの接種希望があるとは、正直びっくりしております。やはりマスコミがやや大げさに報道していることが一因と思います。
確かにインフルエンザは罹患すると高熱が出て厄介な感染症です。でも一昔前までは、卵酒でも飲んで寝て治した経験があると思います。一般的には自然経過でも改善が期待できる感染症なのです。そして今では、タミフルやリレンザという武器もあります。きちんと診断して治療すれば、克服可能な感染症と思われます。これに比べれば、麻疹や日本脳炎の方が致死率や後遺症の起こる確率も高く、恐いはずなのに、こちらのワクチン希望者は残念ながらあまり増加していないのです。
季節性インフルエンザ・ワクチンの接種が出来なかった皆様、まだ、感染流行は始まっておりませんので、あまりあわてないで体力をつけて下さい。今まで罹患しなかった人は、多分今年も大丈夫です。おびえることはありません。規則正しい生活をして、適度な栄養と運動を心がけ、感染予防の手洗いとうがいを行いましょう。それでも恐い人は、流行時には人混みに近付かないこと。これでかなり感染は防げるはずで、ワクチンと同等の効果が期待出来ると思います。それでも感染してしまったら、仕方ありません。ご来院下さい、治療させていただきます。皆様方がつらいインフルエンザに感染しないことをお祈り申し上げます。
さて、新型インフルエンザ・ワクチンも皆さんご心配ですね。こちらも供給量が多くないため、少しずつ配布されてきます。当院にも、まず第一便は11/16に40人分配給される予定です。これを基礎疾患のある最優先の方に接種させていただきます。かかりつけ患者様の中から必要と思われる方を選んでご連絡しようと思っています。その次はいつ何人分配給されるか不明のため、入り次第、厚生労働省の作成した接種スケジュールに則って、順に接種していきたいと思います。11/16から仮予約を受付することにいたしましたので、お電話でお問い合わせ下さい。
どなたも早めの接種希望があるでしょうが、特に国産ワクチンの数には限りがあり、基礎疾患のある方、小児、1歳未満の子供の両親、中高生、一般成人の順に接種していくことになります。1月に入れば輸入ワクチンが入ってきます。輸入ワクチンは数に余裕があると思われます。1月になれば接種は可能と思われますので、あせらずにゆっくり体力を温存してお待ち下さい。
新型インフルエンザは成人では感染する割合が低いようです。子供が感染しても、その両親が感染することは意外と少ないので、成人には免疫があるのかも知れません。逆にこう考えてみましょう。成人で感染する人は「お若い」のかも知れません。お若い方はお気をつけ下さい。そうでない方.......もお気をつけて。一緒にこの難局を乗り越えてまいりましょう。必ずそのうちに収束するはずですので。
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