2000/07/10 モンゴルの国政選挙
  7月2日にモンゴル国国会議員選挙が行われました。
確定投票率は、81.5%で、前回よりも5ポイント以上減ったとのことです。
結果は日本でも報道されたようですが、野党で旧共産系の人民革命党が、
何と76議席中 72議席を獲得。正に地滑り的大勝利を納め、政権が交代しました。
   
  旧与党の民主連合の内、民 族民主党党首・首相のアマルジャルガル氏、
社会民主党党首・国会議長のゴンチグドルジ 氏が落選。
民族民主党は前回35議席から今回当選は前首相のナランツェツラルト氏1人の み。
社会民主党においては15議席から今回は1議席も獲得できませんでした。
与党の敗因は、連合を解消しそれぞれ単独で候補者を確立したことで票が分散したこと と、
政権中に3回も総辞職をするといった政治の不安定さを招いた責任、
度重なる汚職や閣 僚不祥事の発覚、貧困層の拡大に対する社会批判が影響した模様です。
 
  それにしても、投票率の高さと、選挙によって政治を改革しようと考える民意には驚くば かりです。
ある県では91.0%なんて数字も出ています!
民主化10年目のモンゴルに日本の民主主義はかなわないと言わざるを得ませんね。
   
  なお、今政権は旧共産系ですが、90年以降マルクス・レー ニン主義を放棄し、
民主化・市場経済化の推進を基本方針としており、
党首のエンフバヤル 氏も社会主義体制への逆行はないと言明しています。
日本との友好関係にも不安因子はな く、むしろ親日本化は強まるだろうと予想されています。
   
  興味深いことに、
党首のエンフバ ヤル氏は同党所属の現大統領バガバンディ氏と対立関係にあるようで、
大統領の拒否権に より新首相就任はエネビシ同党幹事長ではないかと予想されています。
(エンフバヤル氏は 議長就任が有力)
新首相指名および組閣は7月中旬になる見込みです。
   
  今回の選挙期間、ウランバートル市内では重複投票を防ぐために、
投票者の指に特殊なイ ンクを塗る措置がとられていました。
遊園地で押されるスタンプみたいで、ちょっとおもし ろく感じました。
当国の選挙権は18歳以上に与えられていますが、
若い人たちの政治に対 する深い関心は、日本人である自分と比較しても立派に思えます。
投票後に指のインクを見 せ合ってふざける若者達(10代)を見て感じた次第です。
   
  以上、ちょっと政治経済班から入手した情報でした。
医務官だけはやはり暇ですが、落馬によ る前額部裂傷が来て、久しぶりに縫いものをしました。
看護婦さんがいないので(といっても、 いると暇すぎてお互い辛くなりそう)、
器具をオートクレーブで消毒したり、小手術は少し 大変。
看護婦さんのありがたみがよくわかったモンゴルの一日でした。
ではまた。